住宅ローン控除が3年延長に!住宅ローン控除の特例
2019.12.27
税務トピックス
所得税
住宅ローン控除とは、個人所得税の税金の制度です。
住宅の購入や増改築、改修にかかるローンについて、その年末残高の1%を、その年の所得税から控除するという、「税額控除」の1つになります。
もし所得税から控除しきれなかった場合は、その年(翌年徴収分)の個人住民税からも一定の控除が行われます。
ちなみに正式名称は、「住宅借入金等特別控除」です。
関係書類には、この名称で記載されているので注意しましょう。
住宅ローン控除の控除額には上限があります。
1回の住宅ローン控除で計上できる額は、40万円(認定住宅は50万円)です。
つまり、年末のローン残高が4,000万円(認定住宅で5,000万円)を超える場合、超える部分に住宅ローン控除は適用できないことになります。
・認定住宅の年末のローン残高が6,000万円
→住宅ローン控除額:50万円
住宅ローン控除を適用するための主な要件は、以下のとおりです。
【住宅ローン控除を受ける人の要件】
・新築または取得の日から6ヶ月以内に住み始めること
・原則、その年の12月31日まで引き続き住んでいること
・合計所得が3,000万円以下であること
・一定の間において住宅に関係する他の税制を受けていないこと
例:居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例 など
(どのような税制が該当するかは、税理士等にご確認ください)
・確定申告(2回目以降は、年末調整で可)など必要な手続きを行うこと
【住宅などの要件】
・床面積が50平方メートル以上あること
・床面積の2分の1以上が、自己の居住専用であること
・ローンに10年以上の返済期間があること
・金融機関等からの借り入れであること(親族や知人からの借り入れは不可)
住宅ローン控除の適用期間は、原則10年間ですが、消費税率の引き上げに伴い、一定要件のもと、その適用期間が3年延長されることになりました。
【住宅ローンの延長の要件】
・2019年10月1日から2020年12月31日までの間に、消費税率10%の住宅を購入すること
・上記の期間内に住み始めること など
住宅ローン控除の額は、1年目から10年目までについては、これまでの控除額と変わりません。ただし、延長された3年間(11年目~13年目)は、計算方法が変わります。
【1年目~10年目】
年末のローン残高×1%
上限は、40万円(認定住宅は50万円)です。
【11年目~13年目】
住宅の購入価額(税抜)×2%÷3
住宅の購入価額は4,000万円(認定住宅は5,000万円)が上限です。
11年目から13年目の計算式は、一見、何を意図したものかわかりづらいのですが、これは3年間で、購入価額の2%を控除することを意味しています。
つまり、延長された3年間では、最大80万円(4,000万円×2%)、認定住宅であれば最大100万円(5,000万円×2%)の控除が可能となります。
1年目~10年目 |
11年目~13年目 |
|
計算式 |
年末ローン残高×1% |
購入価額×2%÷3 |
最大控除額 |
10年間で最大400万円の控除 |
3年間で最大80万円の控除 |
住宅ローン控除以外の支援に、「すまい給付金」と「次世代住宅ポイント制度」があります。
いずれも住宅ローン控除と併用できますが、それぞれ事務局への申請が必要になります。
申請は、代理申請も可能です。
すまい給付金とは、消費税率の引き上げによる負担軽減のため、住宅の取得に対して一定の給付金を行う制度です。
給付金の額は、給付を受ける方の収入に応じて変わり、収入が一定額以上ある方は給付金を受けることができません。
【すまい給付金の対象となる目安】
収入が775万円以下(※)の方
(※)収入のない妻と中学生以下の2人の子がいるケースでの目安
【すまい給付金の額】
最大50万円
給付金を受けるには、住宅の引き渡しを受けてから、原則1年以内の申請が必要です。
次世代住宅ポイント制度とは、一定の省エネ性、耐震性、バリアフリー性能等を満たす住宅などを、新築・リフォームをされた方に対して付されるポイントです。
ポイントは、一定の商品と交換できます。
1戸あたりの上限は35万ポイントで、2020年3月までにポイント発行の申請を、事務局に行う必要があります。