非対面や自宅で確定申告をする方法

2021.02.12

税務トピックス

所得税

 

確定申告をする方法には、①窓口での申告、②郵送による申告、③e-Taxを使った電子申告の3つがあります。

普段はどれを選んでも構いませんが、withコロナ時代で選ぶべき方法といえば、非対面でできる②と③です。自宅で申告を済ませたいなら、③の電子申告一択となります。

電子申告について、政府はコロナより前からその普及に力を入れており、特に令和2年は、電子申告化に向けた取り組みが大企業・個人事業主を中心にスタートしました。

中でも個人事業主やフリーランスは、電子申告を選ぶことが節税になるケースもあります。

よって令和2年からの確定申告は、withコロナ時代であることと電子申告によるメリットを踏まえて、ご自身の申告方法を選ぶことが大切です。

今回は、郵送による申告とe-Taxを使った電子申告の方法やそれぞれのメリット・デメリットについてお伝えします。

 

郵送による申告

確定申告書を税務署に郵送する方法です。

送付する申告書は、手書きのものでも、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどを使って作成した申告書を印刷したものでも構いません。

郵送するときは、最低でも最寄りの郵便ポストまでは外出しなければなりませんが、非対面で確定申告ができる上、電子申告のような事前準備が特にないことにメリットがあります。

 

郵送の注意点

注意点としては、まず郵送方法です。

「郵便物」や「信書便物」として送付しなければならない決まりですので、ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケットでの送付はできません。

それから、添付書類についても漏れがないように注意が必要です。

控除関係の証明書は、原本の添付が必要となります。(給与や年金の「源泉徴収票」の添付は省略できます)

また、平成28年分の確定申告からマイナンバーの記載が必要になったことで、郵送時には、本人確認のために「番号確認書類」と「身元確認書類」の添付が必要になりました。

マイナンバーカードがあれば、その「表」と「裏」のコピーをつければOKですが、それ以外の場合は、たとえば通知カードと運転免許証の各コピー、のように書類を組み合わせる必要があります。

 

郵送のメリット・デメリット

郵送による確定申告のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリット デメリット
・非対面で確定申告ができる
・事前の届け出などの準備がいらない
・省略不可な添付書類が多い

・郵送準備は必要(封筒と切手)
・ポストまで出しに行く必要がある

 

 

 e-Taxによる電子申告

一定のファイル形式で作成した確定申告のデータを、e-Taxという国税庁のシステムを使って送信する方法です。

自宅から確定申告ができることはもちろん、控除証明書などさまざまな書類の添付を省略することもできます。

どの書類について添付を省略できるかは、以下のサイトから確認できます。

「所得税及び復興特別所得税についてよくある質問」

https://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/kakutei/tempu01.htm

ただし、添付を省略できる書類でも自己保管は必要です。

保存期間は、申告期限から5年間になります。

 

電子申告の注意点

電子申告を初めて行うときは、「e-Taxの利用開始届書」を提出して16桁の「利用者識別番号」を取得するという準備が必要になります。

取得する方法には、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2通りがあり、どちらを選択するかで手順が変わります。

非対面で手続きができるのは、「マイナンバーカード方式」です。

それぞれの手順は下記をご覧ください。

「マイナンバーカード方式」

https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/mycd_login.htm

「ID・パスワード方式」

https://www.e-tax.nta.go.jp/kojin/idpw.htm

 

電子申告のメリット・デメリット

電子申告のメリット・デメリットは以下のとおりです。

 

メリット デメリット
・自宅から確定申告ができる
・さまざまな添付書類を省略できる
・利用開始の準備が必要(初回のみ)

・書類は5年間、自己保管する

 

電子申告によって節税できるケースとは

令和2年分以降、個人事業主やフリーランスが電子申告を行うと節税になるケースがあります。

節税になるケースは、事業所得や不動産所得のある個人のうち、青色申告特別控除「65万円」を受けられる人です。

まず、令和2年分から青色申告特別控除65万円が「55万円」に引き下がりました。

これは、基礎控除の変更による減額になります。

しかし、とある追加要件を満たせば、令和2年分以降でも青色申告特別控除を「65万円」で受けることができます。

追加の要件とは、「電子帳簿保存」か「電子申告」のどちらかを行うことです。

 

 

令和2年分以降、基礎控除は(所得によりますが)48万円に上がります。

もし48万円の基礎控除を受けられる人が青色申告特別控除65万円を受ければ、令和元年分よりも控除額が10万円多くなり、節税になるということです。

「電子帳簿保存」でもよいのですが、これは税務署への事前申請が必要です。

現時点で何も手続きをしていなければ、今年の確定申告は「電子申告」での控除アップを検討することになります。

なお、青色申告特別控除10万円は前年どおりの条件で受けられます。(電子申告をしても控除額は増えません。)

 

税理士の代理申告も

確定申告は、申告書の作成や申告の代理を税理士に依頼できます。

もちろん、電子申告の利用もおまかせいただけます。